ランサーズなどのクラウドソーシングサービスで受注した案件の納期は遅れても大丈夫?
案件のスタートから完了までネット上ですべての手続きが進められるクラウドソーシング。案件を発注する側にとっても受注するランサー側にとっても大変便利なものですが、その反面で納期遅れに関するトラブルが増えています。
なぜクラウドソーシングで納期遅れが発生しやすいのか、納期遅れが回避できない場合はどうしたらいいのか、今回はクラウドソーシングの利用する心がまえを含めて見ていきたいと思います。
ランサーズなどのクラウドソーシングサービスで受注した案件の納期は遅れても大丈夫?
クラウドソーシングにおける納期とは?
クラウドソーシングサイトとして活発に案件が動いているランサーズやクラウドワークスでは、どの案件でも提案期限が設定されています。
仕事の形式には「コンペ形式」「プロジェクト形式」「タスク形式」の3つがあります。
コンペ形式の案件は一般的なコンペとまったく同じで、設定された締切日までに自分の提案を提示するというもの。応募期限が過ぎれば自動的に提案できなくなりますから、納期というよりは応募期限と考えると分かりやすいでしょう。
タスク形式の案件は、募集されている内容に沿って画面がすでに構成されていて基本的に入力するだけで提案が完了するもの。入力したものがそのまま納品物となります。コンペ形式よりもボリュームが小さく短時間で対応できる案件が多いですが、こちらもコンペ形式と同じく応募期限が過ぎると入力不可になるため納期というより応募期限に近いでしょう。
純粋な納期という概念が取り入れられているのはプロジェクト形式の案件です。
募集要項にそって提案し、採用されると発注者と協議して正式な納期を決定し進めていきます。納期は仕事のジャンルや業務内容によって異なり、一週間前後の短いものから数ヶ月にわたるものまでさまざまです。
プロジェクト形式の案件での納期設定は交渉可能?
発注者とのやりとりなく採用の可否が決まるコンペ形式やタスク形式とは違い、プロジェクト形式の案件は発注者と採用されたランサー側とが詳細を打ち合わせしながら進めていきます。
募集要項で提示されている納期はあくまでも発注者が募集を出した時点での希望納期です。厳密にスケジュールが決まっていてランサーがそれに合わせていく案件ももちろんありますが、募集時点では発注サイドで「○月下旬」「○月中」のように大まかにしか納期が決まっておらず、発注者とランサーとで協議して納期を最終決定するパターンも少なくありません。
こうしたいわゆる急がない案件の場合は、必ずしも募集時点で提示された納期が確定ではないため、「他にも案件があるけどこの案件にぜひ携わりたい!」とランサーが思えば発注者に交渉して納期を調整してもらうことはできるでしょう。
クラウドソーシングでの納期遅れが起きる理由は?
パソコンひとつで納品できるクラウドソーシングは大変便利なサービスです。しかしクラウドソーシングの案件であってもリアルの案件と同じくひとつの立派な契約です。
発注者の募集に対してランサーが提案し、その提案を採用した発注者が最終発注内容と報酬の仮入金を行い、それをランサーが承諾した時点で契約は成立していますから、互いに合意した内容をきちんと責任もって履行しなければいけません。
この「リアルの案件と同じ」という感覚が薄いランサーだと納期遅れが発生しやすくなります。
クラウドソーシングの場合、発注者とランサーとの連絡方法は基本的にメールやチャットですから時間や場所を気にせずやりとりできますが、逆に考えると「都合が悪くなったら連絡しない」という状況になりやすいと言えます。
ランサーズでもクラウドワークスでも評価制をとっていますから、大きな納期遅れを起こしたり中長期のプロジェクトで何度も納期遅れを繰り返すランサーは低い評価を発注者からつけられても仕方ありません。
発注者は採用にあたって提案してきたランサーのプロフィールや評価をしっかりチェックしています。低い評価とコメントがプロフィールページに残ると信用が下がり、結果的に受注率が低くなっていく可能性があります。これはもったいないですよね。
クラウドソーシングで納期遅れを起こさないためには
法人であろうが個人であろうが、本業であろうが副業であろうが、プロジェクト内容に合意し業務が開始された時点で契約が成立しています。リアルの案件と同じく、指定された納期の厳守は当然のこととして業務にあたる姿勢が不可欠です。
ただし身内の不幸やインフルエンザにかかったなど、どうしても業務が進められない緊急事態が発生することはありえます。
その際は、
- 納期が遅れる可能性があることのお詫び
- 可能な納期を提示し発注者の指示を仰ぐ
この2つの項目はメッセージボードなどで発注者に必ず連絡しましょう。
何か起きたら連絡を入れる、これはリアルであってもクラウドソーシングであってもまったく変わらない最低限のビジネスマナーです。
リアルの案件では当たり前にしている納期対応をクラウドソーシングではやらないというのでは、クラウドソーシングの発注者に対してとても失礼なことですし、クラウドソーシングで案件を受注する立場にありません。
クラウドソーシングでの受注を増やしたいのであれば、きちんと契約を交わして仕事を受けているのだという責任と自覚をもって対応する意識を忘れないようにしましょう。
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