確定申告(e-tax)って何?メリット・デメリット
インターネットを使って自宅から確定申告ができるe-taxをご存知でしょうか。e-taxは国税に関する各種の手続きを行なえるシステムのことを指します。
この記事ではe-taxでできることやe-taxのメリット・デメリットを説明していきます。
まずはe-taxでできることから話を始めますね。
e-taxでできること
e-taxでできることは3つあります。
- 国税の申告
- すべての国税の納税(中間納付や附帯税を含む)
- 申請・届出書の提出
順に説明していきます。
国税の申告
e-taxを使うことで国税の申告ができます。具体的には、所得税、贈与税、法人税、地方法人税、消費税(地方消費税を含みます。)、復興特別法人税、酒税及び印紙税に係る申告です。
個人事業主であれば、おもに所得税と消費税が関係しますよね。将来的に法人化した場合、法人税等もe-taxで申告することができます。
なお、地方税に関してはel-taxというシステムもありますが、従業員を雇っていない個人事業主の方は使う必要はありません。
すべての国税の納税
e-taxを使えばすべての国税を納税することもできます。
納税方法は3つあります。
- ダイレクト納付
- インターネットバンキング登録方式
- インターネットバンキング入力方式
結論を言いますと、一番簡単な支払方法は3つ目のインターネットバンキング入力方式です。ここでは簡潔に各支払方法について説明します。
1つ目のダイレクト納付は、口座振替ができる支払方法です。ただし、準備には手間がかかりますので、おすすめはしません。この支払方法では、事前に税務署へ届出書を提出し、e-taxに納付情報の登録をする必要があります。
2つ目のインターネットバンキング登録方式は、名前の通りインターネットバンクングで支払をします。ただ、e-taxで納付情報の登録を行なわなければなりません。登録後に、インターネットバンキングで必要情報を入力して支払います。
3つ目のインターネットバンキング入力方式は、インターネットバンキングで必要情報を入力するだけで、支払いを完了できます。Payeasyという支払い方法になるのですが、聞いたことありませんか?Payeasyを利用したこの入力方式が一番簡単に行なえる支払方法です。
申請・届出書の提出
各種の申請書や届出書をe-taxで提出できます。個人事業主の方だと「所得税の青色申告承認申請」も提出できます。まだ青色申告ではない方はこの機会に確定申告書と合わせて出しておきましょう。
以上の3つがe-taxでできることでした。
続いて、e-taxのメリットについて説明していきます。
e-taxで確定申告をするメリット
e-taxを利用して確定申告をするメリットは全部で4つあります。
- 添付書類の提出を省略できる
- 税務署に行かなくて良い
- 24時間ネットで確定申告を受け付けてくれる
- 還付までの事務処理が早い
一つひとつ説明していきますね。
添付書類の提出を省略できる
まずは添付書類とはどういった書類なのか説明します。
添付書類は大きく2つのグループに分かれます。一つは収入に関する書類で、もうひとつは控除に関する書類です。一例を下記にまとめてみました。
収入に関する書類
- 給与所得の源泉徴収票
- 公的年金等の源泉徴収票
- 特定口座年間取引報告書
- オープン型の証券投資信託の収益の分配の支払通知書、配当等とみなす金額に関する支払通知書、上場株式配当等の支払通知書
(支払調書は添付する義務はありません。)
控除に関する書類
- 医療費の領収書等
- 「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」等
- 小規模企業共済等掛金控除の支払った掛金額の証明書
- 生命保険料控除の支払額などの証明書
- 地震保険料控除の支払額などの証明書
- 寄附をした団体などから交付を受けた寄附金の受領証等
- 勤労学生控除の学校や法人から交付を受けた証明書
- (特定増改築等)住宅借入金等特別控除に係る「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(この控除を受ける2年目以後の年分に限ります。)
- 災害等に関連してやむを得ない支出をした金額についての領収書
- 政党等寄附金特別控除の「寄附金(税額)控除のための書類」
- 外国所得税を課税されたことを証明する書類
- 給与所得者の特定支出控除に係る支出の証明書等
e-taxで確定申告を行なえば、これらの添付書類の提出を省略することができます。これは大きなメリットです。なぜなら、控え用の添付書類をコピーする手間が省けるからです。知らなかった方もいるかもしれませんが、添付書類と確定申告書は最長で7年間ご自身で管理する必要があります。
そして、添付書類は多くなりがちの書類です。とくに医療費の領収書は、あっという間に10枚以上になります。扶養家族の医療費も控除資料として含めることができるからです。
もし、書類で提出するとなれば、これらすべての添付書類をコピーして保存しておかなければいけません。事務作業を増やさないためにも、e-taxは便利なシステムだと言えます。
税務署に行かなくて良い
自宅で確定申告ができるので、税務署に行く必要がないというメリットがあります。1度調べて頂きたいのですが、ご自宅の近くに税務署はありますか?
おそらく、ほとんどの方が、車や電車を使って税務署まで行くことになると思います。そのうえ、駐車場が空いてなかったり、駅から遠い立地だったりと、思った以上に移動時間がかかります。
また、確定申告時の税務署には多くの人が訪れます。個人事業主の方から、会計事務所で働く方までさまざまです。待ち時間があることは覚悟しなければなりません。
最悪のケースは、税務署で書類の不備に気づいてしまったときです。こういったときは、また自宅まで戻って修正なり追加の資料を揃えなければなりません。
e-taxを導入すれば、間違えに気づいてもすぐに修正できますよね。さらに自宅で確定申告の申告から納税まで行なえます。
24時間ネットで確定申告を受け付けてくれる
税務署は基本的に土日に受け付けてくれません。そのうえ、業務時間は午前8時30分から午後5時までと短いです。
e-taxでは、確定申告時期にかぎりこのような時間縛りはありません。土日を含めて24時間いつでも確定申告の申告ができます。
いつでも申告ができるので、予定を空ける必要もないですし、焦って確定申告書を作ることもないです。
還付までの事務処理が早い
これも嬉しいメリットです。書面で申告した場合、還付手続きに1ヶ月から1ヶ月半以上はかかります。もしe-taxで電子申告を行なえば、2、3週間程度です。人によっては、還付の金額が大きくなる方もいるので、事務処理が早いに越したことはないですよね。
ここまでがe-taxのメリットについてです。
次からは、e-taxのデメリットを考えてみましょう。
e-taxで確定申告をするデメリット
e-taxを利用して確定申告をするメリットは全部で3つあります。
- 費用がかかる
- 事前準備が必要
- 困ったことがあってもすぐに人に聞けない
順に説明していきます。
費用がかかる
e-taxをはじめるのに必要なものが3つあります。パソコンとマイナンバーカード等とICカードリーダーです。おそらく多くの方はICカードリーダーを購入することになるでしょう。
3,000円ほどの買い物ですが、費用はかかります。しかし、これはe-taxを使わなくても同じことです。
例えば、税務署で直接書類を提出するならICカードリーダー代はかかりませんが、交通費はかかりますよね。
もっとも、ICカードリーダー代は経費として計上できるので、節税につながります。
事前準備が必要
e-taxの事前準備には少し時間がかかります。これはデメリットです。
パソコン作業に慣れていない方は戸惑うこともあるかもしれません。事前準備には時間がかかりますが、税務署に行き、そのあと待つ時間を考えれば、あまり大差はないと思います。
困ったことがあってもすぐに人に聞けない
自宅でe-taxを使い確定申告をすると、困ったことがあってもすぐに人に聞けません。自分で調べていくしかないでしょう。
例えば,税務署だと相談コーナーを設けているところもあります。確定申告で分からないことがあれば、税理士の方たちが質問に答えてくれます。
まとめ
これまでの話をまとめます。
まず、e-taxでできることは3つです。
- 国税の申告
- すべての国税の納税(中間納付や附帯税を含む)
- 申請・届出書の提出
e-taxを使えば、国税である所得税と消費税の申告から納税まで行なうことができました。中でもおすすめの納税方法は、インターネットバンキング入力方式でした。
またe-taxでは「所得税の青色申告承認申請」などの届出書も提出することができます。
つぎに、e-taxのメリット4つを説明しました。
- 添付書類の提出を省略できる
- 税務署に行かなくて良い
- 24時間ネットで確定申告を受け付けてくれる
- 還付までの事務処理が早い
e-taxを導入すれば、添付書類を何枚もコピーする必要が省けます。
また、税務署に行かなくて良いので、時間を節約することができました。
他にもメリットはあって、e-taxには受付時間の縛りがないため、余裕を持って確定申告書を作れます。さらに、還付までの事務処理のスピードが書類で提出するよりも早くなりました。
最後に、e-taxのデメリットについても目を向けました。
- 費用がかかる
- 事前準備が必要
- 困ったことがあってもすぐに人に聞けない
デメリットとして、ICカードリーダーを購入する必要がありました。ただし、この費用は税務署までの往復の交通費を考えれば、大きな違いはないと思います。
また、e-taxの準備には時間がかかります。しかしこれも、税務署まで行く時間と待ち時間を考えれば、大差はありませんでした。
そして最後のデメリットは、困ったことがあったとしても、すぐに誰かに相談できないことでした。これはe-taxのデメリットと言えるでしょう。だいたいどこの税務署にも、相談に乗ってくれる税理士の方がいます。確定申告書を作るのが不安な方はうまく活用してみましょう。
以上がe-taxのメリット・デメリットの説明でした。
e-taxのメリット・デメリットを踏まえた上で、ご自身にとって最も始めやすい方法で確定申告を行なって頂ければと思います。
次の記事はこちら→家から確定申告(e-tax)をするために必要な物と環境
参照
http://www.e-tax.nta.go.jp/toiawase/qa/yokuaru01/01.htm
http://www.e-tax.nta.go.jp/tetsuzuki/tetsuzuki4_2.htm
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/tebiki2010/a/04/4_01.htm
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