ポートフォリオって何?ポートフォリオの意味とフリーランスにおける役割とは
ポートフォリオ(portfolio)という単語には、いくつか意味があります。一つは、「紙挟み」や「折りカバン」といった物を指す意味。
もう一つは「金融機関や投資家が所有する資産の一覧表、または資産構成」という意味。また、こうした資産のなかでも、特に収益性を考えた有利な分散投資の組み合わせを意味する場合もあります。
持っている資産構成を一覧にして、財産管理をするというわけです。資産家や投資家は、ただお金を持っているだけでなく、土地や建物、株や事業など、さまざまなかたちの財産を所持しています。そうした資産の管理が滞りなくできるよう、ポートフォリオが必要になるのです。
ポートフォリオの意味とフリーランスにおける役割
ポートフォリオという言葉の意味
そして、ポートフォリオにはもう一つ、「作品集」という意味があります。フリーランサーやクリエイターがポートフォリオという言葉を使う時は、もっぱらこの意味においてでしょう。
自分が手がけた仕事をファイルにしておけば、自分のセンスや能力を売り込む広告としても使えますし、打ち合わせの際にも具体的に話を進められて便利です。
書類を持ち運ぶカバンと、資産や作品の一覧表。意味するところは違いますが、どちらもバラバラの書類を一つにまとめている点は共通しています。
ポートフォリオとは、関連性のある別々のものを一緒にまとめておくという意味合いをもっている単語なのです。今回は、「作品集」としてのポートフォリオにスポットライトを当て、詳しくみていきたいと思います。
フリーランスやクリエイターが使っているポートフォリオ
フリーランサーやクリエイターが使うポートフォリオは、紙媒体とウェブ媒体に大きく分けることができます。
紙媒体のポートフォリオ
まず紙媒体のポートフォリオについて解説します。
紙媒体のポートフォリオは、自身で製本をおこなうなどポートフォリオ自体をひとつの作品として演出することができるのがメリットといえます。
フリーランスのなかでも広告デザイナーや出版業界で仕事をしている人は、紙媒体のポートフォリオが必須とされており、就職活動の一環として作成する大学生もいます。
作品を印刷してポートフォリオを作ろうと思い立った時は、こだわりが大切。マット加工の紙の方が作品がよく映えるか、あるいは光沢紙に印刷した方がよいか。
目次やキャプションに使用するフォントは何にするか。優れたクリエイターは、細部までこだわったポートフォリオを作成しています。
フリーランスで仕事をする場合、会社のネームバリューや肩書きといったプラスアルファは何もありません。そこで力を発揮するのが魅力的なポートフォリオです。
よく、ポートフォリオは名刺代わりといわれますが、作品集はただ単に個人の名刺といった役割だけにとどまらず、会社の事業内容をアピールするパンフレットと同じくらい重要なものなのです。
また、クライアントのタイプによってポートフォリオの内容を入れ替えたいという人は、クリアファイルに手がけた作品を入れて保管することもあります。
これは、簡単に中身を入れ替えることができるので、見せたい内容が相手によって変わる仕事をしている人に向いています。
ただ、クリアファイルは繰り返しめくることによって消耗し、透明なファイル部分が白っぽくにごってしまうことがあります。
100円ショップのファイルはやはり安価な分、劣化もしやすいので、ある程度しっかりしたクリアファイルを使用し、濁ってきたら新しいものに変える必要があるでしょう。
製本したものも、ファイルに綴じたものも、サイズはA3やA4が一般的です。
持ち運びやすく、またクライアントが手に持った時に見やすいのはA4サイズですが、ポスターなどは大きなA3サイズの方がインパクトがあり、またデザインの細部まで見やすいのでポートフォリオとして効果を発揮しやすいこともあります。
ウェブ媒体のポートフォリオ
一方、動画や音楽など有形ではない作品を作るクリエイターの場合は、ウェブ媒体のポートフォリオを作成することが一般的です。
当然のことながら、ウェブライターやウェブデザイナーのようにパソコンを使って仕事をする人は、該当ページのスクリーンショットを張るなどして、ウェブ媒体のポートフォリオを作成しています。
一般的に、個人のサイトにポートフォリオを載せるよりも、多くのクリエイターたちの作品が見られるポートフォリオサイトに載せる方が、まだ出会っていないクライアントの目に止まる可能性が高いといえます。
さらに、製本したポートフォリオとウェブ媒体のポートフォリオを両方作成するクリエイターも少なくありません。その場合は、紙媒体にウェブポートフォリオのURLを載せておけば、両方をアピールできるので便利です。
ポートフォリオが使われるシーン
打ち合わせや就職面接で見せる
もともと、ポートフォリオの語源は、イタリア語で財布を意味するポルタフォリオ(Portafoglio)とされています。
「ポルタ(Porta)」という接頭語には運ぶ、保つという意味があり、英語のポータブル(Portable)もここからの派生語と考えられています。ポートフォリオも「携帯できる作品集」ととらえることができるでしょう。
ポスターなど大きな作品を作るクリエイターは、打ち合わせのたびに実物大の作品を持ち運ぶことができません。
また、あちこちのウェブサイトに記名記事を書いているライターが、打ち合わせのたびに自分の記事が掲載されているページを一つ一つ立ち上げて相手に見せる‥‥というのも現実的ではないと思います。
ポートフォリオは、自分の作品や手がけた仕事を簡単に、そして相手に見やすい状態にまとめたものです。そのため、初めて仕事をする相手との打ち合わせなどで使用することが多くあります。
打ち合わせの際、言葉を尽くして自分の仕事をアピールすることはもちろん重要です。
ですが、百聞は一見に如かずという言葉もあるように、作品を一目見て決まる仕事も少なくありません。うまくまとめられたポートフォリオは、自身を売り込む強力な「武器」ともいえるのです。
そのため、近年では就職活動で使われることもあります。数年前まで、日本にはなじまないだろうといわれていたポートフォリオですが、出版業界やデザイン業界では、就職したいなら学生のうちから作成はほぼ必須とされるほどポピュラーな存在になりました。
便利なウェブサービスも多く、こうした動きはクリエイティブな業種以外にも広がっていくかもしれません。
ライター:真子
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