フリーランスの子供が認可保育園に入れなかった時の対処法まとめ【個人事業主・幼稚園】
フリーランスや自営業で働く人にとって、子どもを認可保育園に入れられるかどうかは、仕事時間の確保、つまり収入へと直結するため、死活問題となります。
就労形態にかかわらず、現在では共働きの世帯が当たり前となり、子どもを預ける需要が急増し、それに応えるべく行政も保育施設の増設を進めているようですが、追いついていないのが現状です。
ただでさえ過酷な競争に晒される「保活」において、フリーランスや自営業の人はさらに不利な状況に立たされますが、実際、もし認可保育園へ入園できなかった場合、どんな対策が考えられるでしょうか。
ここでは、フリーランスが「認可保育園に入れなかった時の対処法」をいくつか紹介します。
フリーランスの子供が認可保育園に入れなかった時の対処法まとめ
▼認可外保育園を検討する
認可外保育園に落選した人にとっては定番の選択肢が「認可外保育園」の利用です。
これには、「認可保育園落選後の選択肢」として利用する場合と、「最終的に認可保育園に入園する」ための、いわゆる「認可外利用加点」を狙うケースの2パターンが考えられます。
前者は文字通り「認可保育園に落ちたから仕方なく」選択するケースですが、後者は計画的な保活の一環と言えます。
多くの自治体では「認可外保育園を利用していた実績がある」ことによる指数の加点があり、最近では、近い将来、認可保育園に入れるために、あらかじめ認可外保育園を利用して実績を作っておく、いわゆる「プレ保活」も常識となっている現状があります。
「そこまでしなくてはいけないの?」という驚きの声もありますが、保活激戦区である都内では、わずかな点数の差が入園の合否に大きな影響を与えるため、誰もが必死です。
▼認可外保育園のメリットとデメリット
では、認可外保育園にはどんなメリット・デメリットがあるでしょうか。メリットとしては、「入りやすい」点に尽きますが、デメリットとしては、監査が厳しくないため、「保育の質に不安が残る」という点でしょう。
実際、認可外保育園には「都道府県による訪問監査」が行われることになっているはずですが、現状としては「都内では約2割ほどの訪問」に留まっており、全てをカバー出来ていません。これも、待機児童問題を受けて行政が保育施設の増設を急ピッチで進めたことも原因となっている様です。
また、認可外保育園の場合、認可保育園と異なり、「役所ではなく施設に直接申し込み」「多くの施設は先着順」「保育料はどの世帯も一律」といった違いがあります。
認可保育園の様に「保育が必要な状況」を数値化して入園の優先度を決めるのではなく、あくまで優先順という点は、総合点数が低くなりがちなフリーランスにとっては魅力です。
また、「料金が一律」であるため、場合によっては割高になります。認可保育園は、所得に応じて保育料が決まり、所得が低い人はそのメリットを受けられます。認可外の場合、逆に「所得の高い人」の方がメリットを受けやすいという側面もあります。
▼認証保育園を検討する
認可保育園に入れなかった時のことを考えて、最初から「認証保育園」を検討する人も増えています。
東京都を中心に増えてきているこの「認証保育園」は、言わば「認可と認可外の中間」に位置する第三の保育園です。
ただし認可保育園と並ぶほどの人気であるため、「落選後の選択肢」というよりは、初めから視野に入れて利用を検討するのが一般的です。当然、「認可外」よりも倍率は高めです。
認証保育園は、基本的に「認可保育園」の設置基準をベースに、「産休明けから子どもを預けたい」「残業などの場合も遅くまで預かってほしい」「駅前など、送迎に便利な場所で預かってほしい」といった需要に応えるべく、東京都などの自治体が独自の基準を設けて施設を「認証」する制度です。
申し込みは、認可外と同じく、保護者が施設へ直接申し込みます。
▼実は東京都の認可保育所設置基準はあり得ないほど厳しい
待機児童数の多い自治体は、これでも保育園増設に力を入れてきましたが、まだまだ保育園の受入れ可能数が足りていません。これはなぜでしょうか。その原因の一つとして「厳しすぎる認可保育所設置基準」が関係しているのです。
保育園の設置基準は、子どもの安全や衛生面などに十分配慮し、保育中の事故が起こらないように、多岐にわたるルールが設けられています。その一つに面積や保育士の配置基準などがあります。
保育士不足は建物を建てただけでは解消しませんし、地価の高い東京都では条件に見合う物件を探すことも困難です。そこで、東京都などは「保育士は6割でもOK」「駅の付近に設置すること(A型)」「13時間以上預かること」など、独自の基準で認証する制度が認証保育園という訳です。
▼認証保育園を利用するメリット
この認証保育園のメリットとして挙げられるのが、駅の近くに設置することが条件の「A型施設」の存在です。
都内では駅近くの認可保育園が少なかったため、「子どもを職場とは逆方向の保育園に預けてそこから出勤する」という人も珍しくありませんでしたが、駅近くの保育園は魅力です。
そして、認可外と同様に「認証保育加所利用加点」が加算される自治体が多いこともメリットとして挙げられますが、預けた施設によってはその利便性から、そのまま継続利用してもよいかもしれません。
その他、「全施設で0歳児保育」「13時間以上の開所が定められている」など、「長い期間・長い時間」預けられるという点も、認可保育園にはない利点です。
▼ベビーシッターの利用
ベビーシッターと聞くと、真っ先に思い浮かぶのが「高い」というイメージですが、自治体の補助制度やファミサポなどを併用することで、認可外保育園と同程度の費用水準となるケースも多いようです。
フリーランスがベビーシッターを利用する場合、自宅という目の届く範囲で保育をしてくれるという安心感があります。そのため、仕事に復帰しなければならない人の選択肢として、近年では珍しくなくなっています。
また、ベビーシッターを利用したことによる「受託証明書」を提出することで、次年度の保活において「加点」となるメリットも見逃せません。
▼フリーランスの特性を生かして引越す
これまでは、あくまで認可保育園の代わりとなる「第二、第三の選択肢」を紹介してきましたが、ここでは、職場が固定されないフリーランスの利点を生かして「引っ越し」を視野に入れて考えてみたいと思います。
ご存知の通り、認可保育園への保活難易度は、自治体によって大きな差があります。東京23区の様に、高い指数を獲得しても落選する厳しい自治体もあれば、「利用調整」をするまでもなく、申し込むだけでほぼ確実に認可保育園に入園出来る自治体もあります。
そうした「認可保育園へ入りやすい地域」へ引っ越すことは、保活を戦略的に考えると、かなり有効な方法と言えます。
もちろん、会社員と比べてフリーランスがいくら身軽とはいえ、例えば飲食店や教室など、店舗を構えて商売をしているケースではなかなか難しいかもしれません。また、夫婦のどちらか一方が会社員などの場合、「引っ越しは現実的でない」と考える人も多いかもしれません。
しかし、それらを総合しても、「保育園への入園が叶ってこその仕事」であるため、特にフリーランスの人は検討してみる価値があります。
実際、年々激化する保活に疲弊して都心部から郊外や地方へと引っ越す世帯も増えてきており、「何のための仕事か」ということについて改めて考えなおす時期に来ているのかもしれません。
▼人気自治体に注意
ただし、「認可保育園に入りやすい」「入れなかった場合の補助制度が充実している」など、子育てしやすい自治体の情報は育児世帯ですぐに広まり、兵庫県明石市の様に、多くの世帯が転入することで結果的に「保活激戦区」となるケースも珍しくありません。
そのため、「引っ越し先」についても、本末店頭にならない様、事前の情報収集が欠かせません。
▼まとめ
いかがでしょうか。フリーランスが認可保育園に入れなかった時の対処法をいくつか紹介しましたが、大きく分けて「住んでいる自治体で点数を上げる」という方向性か、思い切って「保活しやすい自治体へ引っ越す」という方法かで分かれます。
自分がどんな方法を取るかは、まず住んでいる自治体で「どれくらいの点数が獲得できそうか」を調べた上で検討するとよいでしょう。
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