公的年金控除とは?【経理・会計用語をわかりやすく解説!】
公的年金控除とはどういうものかを理解するためにまず、公的年金とはどのようなものかを知っておく必要があります。
公的年金とは、国民年金法や厚生年金法、国家公務員等共済組合法などの法律の規定に基づく年金、恩給、適格退職年金契約に基づいて支給を受ける退職年金などです。
年金を受け取ったときは、雑所得として所得税と住民税がかかります。また、障害年金や遺族年金には、税金はかかりません。
公的年金に対して、保険会社などと年金契約を結び、その結果支払われる金融商品などを私的年金といいます。

公的年金控除とは
<公的年金の所得金額の計算>
公的年金の所得金額は、受け取った年金の収入金額から公的年金控除額を差し引いて計算します。
・公的年金控除とは
公的年金控除額は、受給者の年齢が65歳以上であるか65歳未満であるか、また公的年金の収入金額に応じて決められます。
<
p class=”p1″>公的年金等控除額(2019年まで)
年齢 |
年金収入 |
公的年金等控除額 |
65歳未満 |
130万円以下 |
70万円 |
130万円超410万円以下 |
年金収入×25%+37万5000円 |
|
410万円超770万円以下 |
年金収入×15%+78万5000円 |
|
770万円超 |
年金収入×5%+155万5000 |
|
65歳以上 |
330万円以下 |
120万円 |
330万円超410万円以下 |
年金収入×25%+37万5000円 |
|
410万円超770万円以下 |
年金収入×15%+78万5000円 |
|
770万円超 |
年金収入×5%+155万5000円 |
・2020年から見直される公的年金控除
2018年度税制改革では、働き方の多様化への対応と所得再分配機能の回復という観点から、各種控除が見直されました。
公的年金控除も見直されることになり、給与所得控除と公的年金控除から基礎控除へ、控除が振替られます。
この見直しは、2020年分から適用されます。
見直し後の公的年金等控除額(2020年から)
受給者の区分 |
年金収入 |
公的年金等控除額 |
||
公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額 |
||||
1000万円以下 |
1000万円超2000万円以下 |
2000万円超 |
||
65歳未満 |
130万円以下 |
60万円 |
50万円 |
40万円 |
130万円超410万円以下 |
年金収入×25%+27.5万円 |
年金収入×25%+17.5万円 |
年金収入×25%+7.5万円 |
|
65歳以上 |
330万円以下 |
110万円 |
100万円 |
90万円 |
330万円超410万円以下 |
年金収入×25%+27.5万円 |
年金収入×25%+17.5万円 |
年金収入×25%+7.5万円 |
|
65歳未満 65歳以上 どちらも |
410万円超770万円以下 |
年金収入×15%+68.5万円 |
年金収入×15%+58.5万円 |
年金収入×15%+48.5万円 |
770万円超1000万円以下 |
年金収入×5%+145.5万円 |
年金収入×5%+135.5万円 |
年金収入×5%+125.5万円 |
|
1000万円超 |
195.5万円 |
185.5万円 |
175.5万円 |
<公的年金のほかに給料があるときの税金>
公的年金も私的年金も雑所得になりますので、他に給料などがあればそれと合計して全体の所得金額に対して税額(所得税、復興特別所得税、住民税)がかけらます。
・公的年金と給料があるときの税金計算
給与所得+公的年金の雑所得=総合課税の所得
(総合課税の所得-所得控除額)×税率=税額
・公的年金と給料があるときの確定申告
公的年金と給料からは、それぞれ所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されます。
しかし、それらは別々に行われていますので、毎年確定申告が必要です。(公的年金の収入が400万円以下で、かつ給与所得が20万円以下の場合には必要なし)
<公的年金からの源泉徴収>
公的年金の収入金額が158万円(65歳未満なら108万円)を超える場合には、年金が支払われるときに所得税および復興特別所得税が源泉徴収されます。
毎年11月頃、日本年金機構から翌年分の「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」が送られてきますので、それに記入して提出すれば、源泉徴収時に公的年金等控除、配偶者控除、扶養控除、障害者控除、寡婦(寡夫)控除を受けることができます。
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